2017年08月08日

連載  笑う! 田舎暮らし 「お盆はBack to the Future!」

(コープ自然派Tableタブル 2007年 09月号)

 大阪から四国の山村に移住した私たち、お盆の里帰りは田舎から都会に帰ることになる。Uターンラッシュに逆流するため、渋滞や満席とは無縁でラッキー…でも、田舎の時間・空間に慣れてしまったので、駅や町中の人混みですらかなり苦痛ではある。

 それでも今年も気合いを入れて里帰りを決行。苦手な雑踏を何とかクリアして、ようやく子どもたちも楽しみにしているばあちゃん家(私の実家)に到着。私はよれよれになりながら「たらいま~」と倒れ込む。「まぁ~、大きいなって」と、ばあちゃんこと私の母は孫達の成長ぶりに目を細める。

 久しぶりに会ってひとしきりしゃべってから、「さ、御飯にしよか」と母が台所に消えたかと思うと、「ピッ、ピッ、ピー」となにやら電子音が。「何? 何?」と行ってみると、ガス台だったはずがHI調理器になっている。「えー、いつの間に! 電磁波危ないで…」と私が言いかけると、また別のところで「ピー」と鳴っている。ポットでお湯が沸いたらしい。次は「ピッ、ピッ、ピッ」と電子レンジ。何を手伝えばいいのかわからず子どもと共に食器運びを担当。相変わらず部屋のどこかで電子音が鳴る中で、久しぶりの母の手料理はHI調理器だけれど懐かしくおいしかった。
 
 さあ食器でも洗うかと石けんを持つと、「食器洗い機があるから」と母は私を押さえ込む。きれい好き(?)な母は一度食器を洗ってから食器洗い機に入れて、またもや「ピッ、ピッ」。「それって意味ないやん」と私は心の中で思うが「きれいになるんよ、これが」と誇らしげな母を見ると口に出せない。使い方を聞こうとしたが結局「あんたにはわからんやろ」と、滞在中一度もさわらせてくれなかった。

 お風呂ももちろん「ピッ」と指一本で湯が入る。昨日まで、薪を割って風呂を焚いていた暮らしが一気に「文化的」になり私はする事がなく、おかげでのんびりはできた。十分遊んでゆっくりして、そんな中でも母はインターネットでなにやら検索、父はデジカメで孫の写真を撮り即座にプリント。
 
 帰り際、「あんたのつくった梅干しおいしかったわ。また今年のできたら送って」と母。「へい、へい」と返事をして、再び雑踏をくぐり抜け山に帰ってきた。まさにBack to the Futureな盆休みであった。畑のトウキビを炭火で焼きながら、忙しくて延び延びになっているかまど作りのことを考える。早くしなくちゃなぁ。そうそう、近所のばあちゃんに、麦を脱穀する昔の器具を貸してもらうことにもなっている。麦を脱穀したら炒ってはったい粉にしてみよう。山の夏ももう終わり。畑の秋の収穫が待ち遠しい。里芋に落花生、黒豆にサツマイモ、はったい粉も入れて梅干しと一緒に母に送ろうかな。
posted by pon at 06:54| Comment(0) | 日記
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