2017年08月09日

笑う!田舎暮らし「ゲートボールと土砂崩れ」

(コープ自然派Tableタブル 2008年10月号掲載)

 村を突っ切る国道に、9tの大きな岩が落ちて来て全面通行止めとなった。丁度通りかかった車が岩に挟まれ、運転手は命はとりとめたものの大けがという大惨事。これまでにも土砂崩れはたびたびあり、台風のたび、大雨のたびに、どこか崩れないかと気にかかり、なるべく外出は控えようとするもののじっとしていては暮らしていけないので、「カミサマ、ホトケサマ、天国のじいちゃん、ばあちゃん!」とひやひやしながら道を通っていた。まったく人ごとではない。

 2年ほど前も、集落にほど近い国道で土砂が崩れて通行止めになった。迂回路はない。ちょうどその日、近所のばあちゃんたちがゲートボールの試合で町に遠征に行ったと聞いていたので、「あちゃ〜、ばあちゃんたち、帰ってこれんなあ」と心配していたら、夕方、近所のじいちゃんの運転する軽トラの荷台に乗って颯爽と帰ってきた。「崩れたところだけ山越えで歩いて、道の通れるところまで軽トラで迎えに来てもろた」と事もなげに話す。なんでも、歩いて通っていた昔の道が残っていることを知っていたからだと言う。言われてなるほど。はは〜、ばあちゃんたち、さすがや。若いモンなら絶対知らない情報であるし、そもそも「車が無理なら、歩けばいい」、という感覚が私たちの世代には断然欠けている。

 村内では交通事故よりはるかに頻繁にある土砂崩れ。一端崩れると1ヶ月も通れなくなることもあり、普段の生活の不便さはもちろん、急病人が出たときのことを考えると不安でしょうがない。それなのに、奥地であることでなにかと行政の対策も後手後手になり、復旧工事も遅々として進まない。今回の土砂崩れで奥の集落の代表たちが町へ陳情に行ったが、その解答のひとつが「崩れることは前から分っていた」−これには怒りを通り越してあきれてしまう。子どもたちも毎日学校へ通う道。いくら予算がないとは言え、命を守ることを最優先にすることになぜそんなに時間がかかるのだろう。

 因に、ばあちゃんたちが動員されたゲートボールの試合は交通安全週間の一環としての町のイベントだったらしく、なんともシニカル!? しかも優勝という好成績。賞品のトイレットペーパーは山越えには邪魔だったので置いて来たらしい。そのときはばあちゃんたちの強運と機転によってことなくすんだけれど、奥地に住む者としてはそんなイベントを開催する前に、道路の安全を確かめてから交通安全と言って頂きたいんですけど。

 あ、今回は「笑えない!田舎暮らし」になっちゃいました・・・。
posted by pon at 15:07| Comment(0) | 連載
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